コンテンツにスキップ

MDM導入手順書:業務委託PC管理

📁 docs/dev-environment/artifact/20260412_012855_MDM導入手順書_業務委託PC管理.md

目的

業務委託者のPCに対してファイアウォールルール等の設定を強制適用するため、MDM(Mobile Device Management)の導入を検討・実施する。


MDMとは(概要)

会社の管理者が、複数のPCに対して遠隔から設定を一括適用・強制できる仕組み。業務委託者の操作を必要とせず、設定の削除・変更もロックできる。


前提条件

Windows(Microsoft Intune)

項目 条件
OS Windows 10 Pro以上、またはWindows 11 Pro以上(Home版は非対応)
ライセンス Microsoft 365 Business Premium または Intune単体ライセンスが必要
ネットワーク インターネット接続があれば可(社内LAN不要)
アカウント 業務委託者に会社のMicrosoft Entra ID(旧Azure AD)アカウントを付与する必要あり
PC登録方法 業務委託者のPCをIntuneに「登録」してもらう操作が1回必要

注意: Windows Home版はMDM管理に対応していない。業務委託者のPCがHome版の場合はPro版へのアップグレードが必要(約2万円/台)。


Mac(Jamf / Apple Business Manager)

項目 条件
OS macOS 11(Big Sur)以上推奨
ライセンス Jamf Proまたは Jamf Now のライセンスが必要
Apple側の設定 Apple Business Manager(ABM)への登録が必要
ネットワーク インターネット接続があれば可(社内LAN不要)
PC登録方法 業務委託者のMacをJamfに登録してもらう操作が1回必要

注意: 業務委託者の私物Macの場合、MDMプロファイルのインストールに本人の同意が必要。会社支給PCの場合はApple Business Manager経由で自動登録が可能。


OS別の対応策

Windows(Intune)の場合

Step 1. Microsoft 365 Business PremiumまたはIntuneライセンスを契約
Step 2. Microsoft Entra ID(Azure AD)で業務委託者アカウントを作成
Step 3. 業務委託者のPCがWindows Pro以上であることを確認
Step 4. 業務委託者にIntuneへのPC登録を依頼(設定 → アカウント → 職場または学校にアクセスする)
Step 5. Intuneの管理画面からファイアウォールルールを設定・配布

Mac(Jamf)の場合

Step 1. Jamf NowまたはJamf Proのライセンスを契約
Step 2. Apple Business Managerに会社を登録
Step 3. 業務委託者のMacにJamfの登録プロファイルをインストールしてもらう
Step 4. Jamfの管理画面からファイアウォール設定・プロファイルを配布

MDMなしで対応できる代替手段(現実的な暫定対応)

MDM導入コストや手間が大きい場合、以下の方法で暫定的に対応できる。

方法 手間 強制力 備考
PowerShellスクリプトを手動実行依頼(Windows) 業務委託者が管理者権限を持つ場合は削除可能
リモートデスクトップで管理者が代わりに設定 管理者が直接操作するため確実
MDM(Intune / Jamf)で強制適用 高(初期) 一度導入すれば以降は自動

導入コスト概算

Microsoft Intune(Windows向け)

プラン 月額(1ユーザー) 備考
Intune単体 約900円 デバイス管理のみ
Microsoft 365 Business Premium 約2,750円 Teams・Exchange等も含む

Jamf(Mac向け)

プラン 月額(1デバイス) 備考
Jamf Now 約400円 小規模向け、機能限定
Jamf Pro 要見積もり 大規模・高機能

業務委託者への影響

影響 内容
初回登録操作 PCをMDMに登録する操作が1回必要(5〜10分程度)
日常業務への影響 ほぼなし(設定が自動で適用されるだけ)
プライバシー 管理者は業務委託者の個人ファイルや閲覧履歴は見えない(管理できるのはデバイス設定のみ)
私物PC利用の場合 MDMプロファイルのインストールに本人の同意が必要。心理的抵抗がある場合は会社支給PCへの切り替えを検討

推奨アプローチ(優先順位)

短期(今すぐできる)
  → リモートデスクトップで接続し、PowerShellスクリプトを管理者が実行

中期(1〜2ヶ月以内)
  → 業務委託者のOSがWindowsならIntune導入を検討
  → Windows HomeならProへのアップグレード要否を確認

長期
  → MDM一元管理体制を整備し、今後の業務委託者追加にも対応

残確認事項

確認項目 優先度 内容
業務委託者PCのWindowsエディション確認 Home版はMDM非対応のため要確認
業務委託者PCが私物か会社支給かの確認 MDMプロファイル同意の要否に影響
Microsoft 365契約状況の確認 Intune単体契約かM365かで費用が変わる
業務委託者の人数 ライセンス費用の総額に影響